内装とボディへの適用
内装/ボディ用接着剤
1台の自動車に適用される15 kgの接着剤のうち、大部分は車体と関連箇所の接着に使用されます。重要な前提条件になるのは、高い機械抵抗と耐薬品性です。内装については、設計上の自由度と生産効率がますます重視されるようになっていますが、接着剤はそれを効果的に実現します。
内装の仕上げについて、ユーザーは外観の美しさと質を重視しますが、接着は魅力的な美観を最高度に、かつ最も簡単に実現できる接合技術です。内装では、自動化機能と高速処理における接着剤の強みがフルに活かされます。
装飾部品を魅力的に接合
固定部材とクランピングカラーを確実に接合
あらゆる形状に適合するシリコンフリーの液体シーラント
自動車のディスプレイ接合:運転席からコントロールセンターまで
LEDパッケージ用のDELO製接着剤
装飾部品を魅力的に接合
装飾部品と、空気孔のクロムリング、ドアやハンドルの木材トリム、ダッシュボード部分の被覆加工などのトリムが接合されます。ねじとは異なり、接着剤は目に見えず、スナップフィットよりも信頼性に優れています。
DELO製接着剤は、「通常の」液状接着剤の形態であっても、感圧液状接着剤である「液状テープ」の形態であっても、内装の機械的/熱的条件を満たすだけでなく、製造工程でもその強みを発揮します。したがって非常に複雑な形状にも適合し、クロムリングなどの不透明な材料についても、高速の光硬化処理が可能になります。プリアクティベートにより、接着剤はディスペンシングと短い照射フェーズの直後に液状のままになるため、不透明な部品の接合も可能になります。このオープン時間後、接着剤は光の照射なしで数分以内に硬化します。
このプロセスは感圧液状接着剤に匹敵します。照射後は表面がねばついた状態になります。接着剤は2番目の部品が押し付けられた直後に最終的な強度になるため、接合されたアセンブリは一時的な固定を必要とせずに直接処理できます。
DELOの内装・装飾部品ソリューションは、柔軟性の高いアクリレートと強度の高いエポキシ樹脂を備え、多様な構造に適応します。
DELO製品の特性と強み
- 温度サイクリングに対する優れた耐性
- 高い柔軟性
- 製造工程の完全な自動化
- 不透明な材料にも適する
- 感圧液状接着剤としても使用可能
固定部材とクランピングカラーを確実に接合
ケーブルハーネス、センサーブラケット、取り付け部品などの各種部品は多くの場合、ねじ式ボルト、クランピングカラー、またはスナップフィットによって取り付けられています。金属材料の場合、OEMでは時間のかかるドリル加工や、ねじやリベットの挿入を避けるため、溶接ボルトが多く使用されています。柔軟性の高い代替方法として、また特に繊維複合材料の場合は、クランピングカラーやボルトをベースプレートに接合することも可能です。たとえばフロントガラスを取り付けるクランピングカラーは、光硬化接着剤によって固定できます。
いわゆるONSERT工程では、1つの部品の接着剤を取り付け部分に適用してから接合します。この工程の特長はそのスピードにあります。部品のベースは透明プラスチックでできており、それが半透明の接合領域になるため、サイクル時間が短縮されます。硬化はLEDランプを数秒照射することで行われますが、これは完全に自動化することができます。一度接合されれば、直ちに荷重に耐えることができます。PA(ポリアミド)などの半透明プラスチックも、光を照射して接合できます。それに続いてONSERT部品を使用し、ねじ式部品または差し込み式接続によって、最短時間で構造部品を取り付けることができます。
DELO製品の特性と強み
- 繊維複合材料に最適
- 数秒で光硬化
- 完全な自動化が可能
- 多様な形状に対応
あらゆる形状に適合するシリコンフリーの液体シーラント
円形の形状を密封する場合は、一般的にゴム製またはシリコン製のOリングが使用されます。しかし複雑な形状の場合は、あらゆる形状に簡単に適応する光硬化液体シーラントが適しています。固体シーラントと比較したもう一つの利点としては、液体シーラントがざらついた部品表面だけに固着するものではないことが挙げられます。波形表面の封印にも適しているため、製造トレランスの向上に役立ちます。
硬化が遅いシリコンやポリウレタンがベースの液体シーラントとは異なり、DELOの光硬化液体シーラントは、製造工程の高速化と完全な自動化を可能にします。このような耐流動性を持つ高粘度の製品により、CIPG工程が実現します。CIPG(Cured In Place Gasket)では、液体シーラントが目的の位置で非常に高速に硬化するため、アセンブリ全体の工程を中断なく進めることができます。さらに自動車産業の要求に従い、すべてのDELO製品は100%シリコンフリーであり、また塗装の乾燥を遅らせる物質も含まれていません。そのため、製造工程に伴う問題が解消されます。
DELO製品の特性と強み
- あらゆる形状に対応
- 圧縮歪みが少ない
- 数秒で光硬化
- 完全な自動化が可能
- 100%シリコンフリー
自動車のディスプレイ接合:運転席からコントロールセンターまで
ナビゲーション、インフォテインメント、入力画面、ヘッドアップディスプレイは、異なるアセンブリで構成されていますが、それらは永続的に接合されていなければなりません。ディスプレイフレームと保護ガラスの接合、ハウジングのディスプレイの接合と封印、触覚フィードバック用の機能部品の接合、ヘッドアップディスプレイの組み立てなど、用途別に多様な接着剤が用意されています。
用途
- 運転席情報システム
- 運転席計器ディスプレイ
- カーオーディオ/インフォテインメントディスプレイ
- ナビゲーション/エンターテインメントシステム
- ディスプレイ保護ガラス
- ヘッドアップディスプレイ
ディスプレイをアセンブリに組み込む場合に最も重要なことは、ディスプレイ用ガラスと、フレーム、あるいはリテーナー、ハウジング、アクティブな部品などが、テンションなく確実に接合されていることです。他にアセンブリのサイズも考慮する必要がありますが、それについては室温硬化性接着剤が多く使用されます。
即時硬化可能な特殊接着剤も製造しています。この製品群には、光によってプリアクティベートし、湿気によって硬化することで「オンデマンド硬化」を実現する、DELO PHOTOBOND接着剤も含まれています。不透明な部材の接着も素早く信頼性の高い硬化が可能です。
DELOの感圧液状接着剤も、ディスプレイフレームを接合する方法として使用できます。テープ接着のように簡単な接着プロセスを自動制御可能な液体の接着剤で実現しました。
一般的な接合作業
- フレームやハウジングに対するディスプレイの構造接着
- ハウジングの封印
- ディスプレイの保護ガラスへの動作部品の接合
- COG/COF、可撓性導体など各種の部品のディスプレイへの接合と保護
- 機能部品のディスプレイ構造への接合(触覚フィードバック)
- ヘッドアップディスプレイの各種部品の接合
LEDパッケージ用のDELO製接着剤
LEDは自動車の内装における重要な設計要素であり、環境光によって快適な雰囲気を作り出します。またLEDは安全運転にも貢献します。特定の状況について運転者に警告する目的にもLEDを使用できます。
LEDパッケージの製造で重要な役割を果たすのが、機能性接着剤です。機能性接着剤は鮮明で均質なLED照明と、効率的な製造を可能にします。DELOは、第1レベルと第2レベル両方のパッケージに適する、多数の製品を開発しています。第1レベルのパッケージでは、LED半導体のすぐ近くに接着剤が適用されます。第2レベルのパッケージでは、LEDモジュールの周囲にあるレンズ、カバーディスク、またはハウジングの接合に接着剤が使用されます。
オプトエレクトロニクスのためのDELOの接着剤ポートフォリオには、透明な低ガス放出、テンション均等の導電性接着剤、そして構造接着用のダイ接着剤が含まれています。DELOは、カスタマイズされた伝導、反射、吸収特性を持つ光学コーティングや、センサーパッケージを保護する封止剤も提供しています。ユーザーは部品形状や基質の組み合わせに応じて、硬化メカニズムが異なる製品を選択できます。
DELO PHOTOBOND、DELO DUALBOND、DELO KATIOBONDの各シリーズの機能性接着剤とシーラントはすべて、生産高の大きな高度に自動化された高速プロセスに適しています。
LED用接着剤の特性
- 低ガス放出
- 非常に低い収縮率
- 光学的に透明
- 耐黄ばみ特性
- 耐リフロー特性