オプトエレクトロニクス
オプトエレクトロニクス
光学材料と接着剤は、ウエハーレベル光学部品の開発と製造にあって、中心的な役割を果たします。それらはセンサーやLEDなどの光学素子の保護に使用されるだけではありません。DELOの光学材料は、マイクロレンズや回折光学素子(DOE)の製造にも使用されています。マイクロレンズやDOEは、スマートフォンのカメラのフラッシュモジュールで、あるいはプロジェクションシステムのマイクロレンズアレイとして使用されるものです。
光学材料と光学接着剤は、堅牢性に加えて、UV熱安定性、低ガス放出、低収縮性を備えていなければなりません。DELOは、このような要件に適合する広範な接着剤を用意しています。
ウエハーレベルのマイクロ光学向け材質ソリューション
マイクロ光学とナノ構造は、スマートフォン、スマートグラス、自動車の最新の小型オプトエレクトロニクス部品における重要な技術になっています。家電製品での使用例としては、飛行時間センサーや環境光センサーのマイクロレンズ、ストラクチャードライト用回折光学素子(DOE)、さらには3Dセンサーや拡張現実眼鏡などの新興技術を支える回折導波管(ディフラクションウェーブガイド)のナノメートル精度の表面レリーフ格子などが挙げられます。
自動車分野では、この技術はヘッドライト用のマイクロレンズベースの超コンパクトなプロジェクションシステム、あるいは自動車のさまざまな部分に装着される装飾用/機能性ライトでも使用されています。

光学的に透明なインプリント材質
UV硬化樹脂は、ナノインプリントリソグラフィによる光学素子の大量生産で多く使用されるようになっています。その重要な特性としては、屈折率整合、高透過率の均衡の取れた熱機械挙動、加えて総合的に高い信頼性が挙げられます。
DELOの光グレード材料は、ほぼ完全に自由な設計が可能であるため、複雑なデバイス構造に対応すると同時に、製造も容易です。
特性
- 特にリフロー工程での温度上昇時の黄変に耐える
- 可視域での透過率が非常に高い
- 低ガス放出
- 非常に低い収縮率
- ガラスに対する優れた粘着力と、印材からの同時剥離
- ハロゲンフリー(IEC 61249-2-21)
- 広範な屈折率を実現
用途
- センサー製品用マイクロレンズ(飛行時間センサー、環境光センサーなど)
- プロジェクション装置用マイクロレンズアレイ(MLA)
- 自動車のヘッドライト用マイクロレンズアレイ(MLA)
- ストラクチャードライト(3Dセンサー)用回折光学素子(DOE)
- 投光照明/ディフューザー用回折光学素子(DOE)
- AR導波管用回折光学素子(DOE)
光学的機能性材料
単一光学素子のUVインプリントは、ウエハーレベル光学部品のごく一部の要素に過ぎません。その真の威力は、複数の光システムをウエハーレベルで並行して製造する際に発揮されます。
光システムでは、レンズやDOEなどの光学素子に加えて、スペーサー、アパチャー、ハウジングなどの部品も必要になります。
ウエハーレベルの光学部品は、単一の要素の製造だけでなく、各要素をスタックさせた完全なシステムの構成にも貢献します。
用途
- パッケージ側壁
- 遮光アパチャー
- 高光学密度コーティング
- 規定された光拡散
- 分光フィルタリング


LEDパッケージ用接着剤
汎用性に優れたLEDは、様々な用途に使用されています。メーカーには設計上の自由が生まれ、家電製品、自動車、センサー技術などの分野で新しいコンセプトの照明が実現します。
LEDパッケージの製造で重要な役割を果たすのが、機能性接着剤です。機能性接着剤は鮮明で均質なLED照明と、効率的な製造を可能にします。DELOは、第1レベルと第2レベル両方のパッケージに適する、多数の製品を開発しています。第1レベルのパッケージでは、LED半導体のすぐ近くに接着剤が適用されます。第2レベルのパッケージでは、LEDモジュールの周囲にあるレンズ、カバーディスク、またはハウジングの接合に接着剤が使用されます。
オプトエレクトロニクスのためのDELOの接着剤ポートフォリオには、透明な低ガス放出、テンション均等の導電性接着剤、そして構造接着用のダイ接着剤が含まれています。DELOは、カスタマイズされた伝導、反射、吸収特性を持つ光学コーティングや、センサーパッケージを保護する封止剤も提供しています。ユーザーは部品形状や基質の組み合わせに応じて、硬化メカニズムが異なる製品を選択できます。
DELO PHOTOBOND、DELO DUALBOND、DELO KATIOBONDの各シリーズの機能性接着剤とシーラントはすべて、生産高の大きな高度に自動化された高速プロセスに適しています。
LED用接着剤の特性
- 低ガス放出
- 非常に低い収縮率
- 光学的に透明
- 耐黄ばみ特性
- 耐リフロー特性

フォトニックIC(PIC)用接着剤
フォトニック集積回路(PIC)は、信号処理、データ転送、電子装置のセンサー機能など、光学的機能の集積において中心的な存在になっています。PICは、増幅器、変調器、フィルタなど、複数の微小な光学部品が組み込まれた、チップ上の高度なシステムです。EMスペクトル(380~1650 nm)の光学的/IR範囲で機能し、非常に広い帯域幅と高速のデータ転送を可能にします。
チップレベルと基板レベルのパッケージングと光相互接続は非常に高度な技術です。低結合損失を実現するには、高精度の能動的位置合わせに対応した接着剤が必要になります。一般的なリフロー工程では電子SMDのアセンブリなどの後処理が行われるため、特に信頼性の高い材料が求められます。
光結合
PICと光ファイバーの結合には複数のアプローチがあります。一般的に、わずか数ミクロンのコア径の単一モードファイバーが使用されるため、非常に高精度の能動的位置合わせが必要になります。ファイバーは、光路内の接着剤によってPICに直接接合することができます。光路外では、接着剤を使用してファイバーとインターポーザーを接合し、さらに屈折率(RI)に適合する光学接着剤によってファイバーとPIC間のギャップを満たすことで、フレネル反射に起因する伝送損失が最小になります。もう1つは、PICでマイクロレンズを使用することで、許容範囲の拡大や非接触型接続(拡張ビームコネクター)を実現する方法があります。
接着剤の特性:
- 低収縮率
- 高速の硬化
- 低CTE
- 高Tg
- RI適合
- 高透過率
- リフローの安定性



V溝の接合
ファイバーの受動的位置合わせでは、一般的にV溝構造の基質が使用されています。V溝を使用すれば、複数の単一ファイバーを個々にPICに接続する代わりに、プリアセンブリを行うことが可能になります。その場合は、一般的に12本以上のファイバーで構成された全体をPICにワンステップで接続できます。ファイバーは、上部に蓋を接合することで、V溝の内部に保持されます。DELO製接着剤は、蓋を接合する前にディスペンシングすることも、接合後にアンダーフィル処理によってディスペンシングすることもできます。
接着剤の特性:
- 適切な粘度
- 低CTE
- リフローの安定性

製品 | DELO KATIOBOND OM614 | DELO KATIOBOND OM6116 | DELO DUALBOND OB749 |
粘度 (レオメータ 10/s) | 400 mPa*s | 430 mPa*s | 3,000 mPa*s |
ヤング率 | 3,000 MPa | 3,500 MPa | 6,200 MPa |
熱膨張係数1 | 53 ppm/K (-35 °C – -10 °C) | 58 ppm/K (-40 °C – +80 °C) | 44 ppm/K (+30 °C – +70 °C) |
熱膨張係数2 | 200 ppm/K (+125°C – +170 °C) | 153 ppm/K (+185°C – +220 °C) | 93 ppm/K (+130°C – +170 °C) |
被覆加工
PIC間またはファイバーとPICの短距離の接続は、フォトニックワイヤ接合によって行うことができます。組み立て済みのPICとファイバーの相互接続には、電気配線と同様の光学配線が使用されます。フォトニックワイヤ接合は、二光子重合(2PP)によって3D実装されます。微小なワイヤを保護するために、DELOは完全な内面反射による導波を可能にする、低屈折率(RI)の接着剤被覆加工を提供しています。
接着剤の特性:
- 低RI
- 低粘度
- 高い信頼性

チップ接続
フォトニックパッケージでは、基質やインターポーザーにPICを接続することが不可欠です。低CTEと十分な接着強度が確保された、信頼性の高い接合が求められます。DELOはさらに、高精度の実現とサイクル時間短縮に有効な、光固定が可能な接着剤も提供しています。
接着剤の特性:
- 高い接着強度
- 低CTE
- 低収縮率
- 高い信頼性

製品 | DELO DUALBOND OB6268 | DELO DUALBOND OB787 |
粘度 (レオメータ 10/s) | 27,000 mPa*s | 46,800 mPa*s |
収縮 | 0.7 Vol.-% | 1.5 Vol.-% |
破断点伸び | 1.0 % | 0.8 % |
ヤング率 | 6,300 MPa | 7,000 MPa |
ガラス転移温度 | 202 °C | 185°C |
熱膨張係数1 | 37 ppm/K (-40 °C – -20 °C) | 45 ppm/K (+30 °C – +50 °C) |
熱膨張係数2 | 78 ppm/K (+140°C – +170 °C) | 79 ppm/K (+140°C – +170 °C) |
ガラス上のシリコンのせん断強度(初期) | 38 MPa | 50 MPa |
ガラス上のシリコンのダイせん断強度(リフローおよびTHT後) | 38 MPa | 23 MPa |

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接着は非常に高度な接合技術です。接着に伴う課題を解決するには、接着技術の基本と特性を十分に理解していなければなりません。ぜひTECH TALKウェビナーに参加して、有益な知識を得てください。